【統合型リゾート】IRとは何か?世界のIR事情も紹介

IRはカジノだけのものではない、と言うけれど、いったいどんな施設でどんな効果をもたらすんだろうか?
まだ日本にないIRだけど、世界のIR事情はいったいどうなっているんだろう…?
通称カジノ法案であるIR法案が成立し、2025年頃にIRが開業するのではないかと言われています。
もしかしたら、あなたがお住まいの地域にもIRが開業することになるかもしれません。
カジノやギャンブルと言った、マイナスのイメージが先行しているIRですが、実際はどんな施設なのでしょうか?
気になる世界のIR事情ついても紹介します。

IRとは何か?何の略なのか?

IRとは統合型リゾートと訳される英語で「Integrated Resort」の略です。

統合型リゾートには、その名前の通りいろいろな施設が存在します。

カジノ・ホテル・劇場・美術館・ショッピングモール・レストラン・テーマパーク・MICE施設等々の施設を、一つの区域に含んだ特定複合施設です。

MICEとは、多くの人にあまり馴染みのないかと思います。

MICEとは以下の4つの頭文字をとったものです。

  1. 企業などの会議(Meeting)
  2. 報酬・研修旅行(Incentive Travel)
  3. 国際機関・団体・学会などの行う会議(Convention)
  4. 展示会やイベント(Exhibition/Event)

 

このMICEを目的とした旅行は団体であることが多く、個人や家族などの旅行客に比べて消費額が大きいことが特徴です。

2018年4月に観光庁が発表した数字によると、日本での国際会議に参加した外国人参加者の消費額は、一般の外国人観光客のなんと2倍以上にもなるそうす。

日本に限らずそういった背景があるため、大きな会議場や展示場を設置していないIRは世界に存在しません。

 

IRは、老若男女問わないすべての人(観光客)の目的を満足させることができるように、さまざまな施設を備えています。

そうすることにより、いろいろな目的・属性を持った観光客を誘致することができます。

 

例えば、国際会議に参加するビジネスマンの家族も呼び込むことができます。

親が会議に参加している間、子供たちはテーマパークで遊んだり、ミュージカルを観たりして飽きずに過ごすことができます。

そして会議が終わった後は家族でディナーに行き、そのあとは夫婦でカジノに興じる…といったことが想像できますよね。

 

IRとは、カジノだけで成り立つものではありません。

MICEやホテルなどの、さまざまな施設がまとまって存在することによって、大きな相乗効果を生み、大きな経済効果をもたらす施設になるのです。

 

世界のIR(カジノ)事情とは?

IRについてはどのようなものかはお分かりいただけたかと思います。

日本にはまだないIRですが、世界のIR事情はどうなっているのでしょうか?

 

ここではメジャーな以下の3箇所について紹介します。

  1. ラスベガス
  2. マカオ
  3. シンガポール

早速ご覧ください。

【アメリカ:ラスベガス編】世界のIR(カジノ)事情

IRやカジノと言って、日本人が真っ先に頭に思い描くのはこのラスベガスではないでしょうか?

ラスベガスでカジノが合法化されたのは、1931年で長い歴史があります。

そのため、私たちに「IR・カジノ=ラスベガス」と刷り込まれているのでしょう。

 

もちろんイメージだけでなく、その企業や売上の規模も大きいです。

本社をラスベガスに置く、IRの大企業も数多くあります。

  1. ラスベガス・サンズ
  2. シーザーズ・エンターテイメント
  3. MGMリゾーツ・インターナショナル

IRの企業・事業者について詳しくは↓で紹介します。

 

売上に関しては、2006年に後程紹介するマカオに抜かれてしまいましたが、それまでカジノの売上世界一を長い間とっていました。

また、IRにも不可欠なホテルですが、世界12大ホテルのうち11軒のホテルがラスベガスに存在しています(客室数ベース)。

1つの国にとどまらず、1つの州の中の1地域に11軒もの巨大ホテル集まっていることからも、ラスベガスの偉大さが感じられると思います。

 

  • ラスベガスと言えばカジノ
  • 長い間、カジノの売上世界一

 

このようなことから、

ラスベガスのIRの収益源はカジノがメインなのではないか?

と思われる方には大変意外なことがあります。

 

それは、

今のラスベガスのIRにおける、メインの収益源はカジノ以外である

ということです。

一般的に、IRの売上で1番大きい割合なのはカジノ(80%~90%ともいわれる)です。

しかし、顧客の嗜好の変化に伴い収益の割合も変わってきたそうです。

 

・カジノによるもの:30%~35%
・カジノ以外によるもの:65%~70%

 

ほとんどの人はカジノによって、ラスベガスの経済が潤っていると勘違いされているでしょう。

しかし、今もなお変化を続けるラスベガスとそのIRでは、もはやメインの収益源はカジノではなくなっているのです。

 

【中国:マカオ編】世界のIR(カジノ)事情

続いてはマカオです。

先ほども触れましたが、カジノの売上世界一をとっている、IR(カジノ)と言えば?の代名詞ともいえる都市の一つです。

その歴史はラスベガスよりもかなり古く、ポルトガル領時代の1947年にカジノが合法化されています。

東洋のラスベガス」と言われているようです。

 

マカオは、1人あたりのGDPの世界1位を取ったこともある非常に裕福な地域です(2013年)。

ポルトガル領から返還された後に、マカオがここまで発展したことはカジノが大きく影響しています。

 

それは、2002年にカジノ経営権を国際入札を実施したことです。それまではギャンブルを含むカジノ産業を1社が独占していましたが、それ以降はラスベガス・サンズ(アメリカ)やギャラクシー・マカオ(香港)など、多くの外国のIR企業が参入しています。

現在では、20を超えるカジノ施設が運営されており、観光への貢献が大きくなっています。

2002年のカジノ経営の解放から、2006年にわずか4年でカジノ売上世界一に躍り出ました。

 

【シンガポール編】世界のIR(カジノ)事情

最後に紹介するのは、シンガポールです。

シンガポールにIR(カジノ)ができたのは、2010年から2011年と比較的最近のことです。

そして、日本がIR(カジノ)を導入するに向けて、最も参考にしているのがこのシンガポールです。

先のラスベガスやマカオに比べ、歴史は浅いですが、最も注目したい国・地域かもしれません。

 

シンガポールでは、2つのIR(カジノ)が誕生しています。

  1. マリーナベイ・サンズ(ラスベガス・サンズ)
  2. リゾート・ワールド・セントーサ(ゲンティン・グループ:マレーシア)

 

シンガポールがIR(カジノ)を導入する目的は、冷え込んでいた観光産業の振興その1点でした。その目的を達成するために、大規模なリゾートであるIRをどうしても誘致して、観光客を呼び込みたかったのです。

しかし、日本と同様にカジノが非合法であったことに加え、国民感情としてもカジノを含むIRの誘致には抵抗感がありました。

IRはカジノではないという説得や、ギャンブル依存症への対策をしっかりと行い、反対派の多い国民を徐々に徐々に少なくしていったのです。

国民感情や状況が、今の日本と重なる部分が多いため、シンガポールを参考にしているということが納得できるかと思います。

2つのIRがもたらした効果

 

項目 2009年 2014年
外国人旅行客 968万人 1,557万人(+60%)
外国人旅行客の消費額 1兆円 1.86兆円(+86%)
国際会議数 689件 850件(+23%)
ホテル客室数 1,134万室 1,470万室(+30%)

※横スクロールできます

この表からも分かる通り、非常に大きな貢献をしていることが一目瞭然です。

また、IRによって4.3万人以上の新規雇用も生んだと推定されています。

そして、大きな懸念事項であったギャンブル依存症についても、IR(カジノ)が開業する以前(2005年)の4.1%から、直近の2017年の調査では0.9%まで依存症の割合が減少しています。

 

まとめ:IRは超大型の観光スポットで大きな経済効果をもたらす

IRとは、さまざまな施設の集合体であり、それぞれが相乗効果を生み大きな経済効果をもたらすものです。

ラスベガスの例もあるように、カジノ以外の売上の方が大きい場合もあります。

そして、日本が参考にしているシンガポールにおいては、ギャンブル依存症の割合すらも低下しています。

 

IR(カジノ)に賛成の人も反対の人もいるかと思いますが、

IRとは何か?世界のIR事情はどうなのか?

どちらにせよ、こういった知識を持つことが大事になります。

 

・IRとはさまざまな施設の集合体
・ラスベガスのメインの収益源はカジノではない
・シンガポールではギャンブル依存症の割合が低下している
最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは。